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メタボリックと酸化ストレス

2009年07月20日

今回はメタボリックシンドロームと酸化ストレスに関して少し専門的な話題をご紹介します。
現在、学会でも取り上げられている話題です。

高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満に代表される生活習慣病を併せ持つ、メタボリックシンドローム (マルチプルリスクファクター症候群) が大きな社会問題になっています。

その理由は、メタボが動脈硬化を発症・進展させやすく、心筋梗塞や脳卒中などの原因となるからです。

上記4 種の生活習慣病はいずれも動脈硬化の主要な危険因子で、共通して活性酸素の産生を増加させます。

活性酸素は直接又は低比重リポ蛋白 (LDL) の酸化を介して血管内皮細胞の機能を障害し、さらに血管壁における脂質蓄積を促進することによって動脈硬化を発症させると考えられています。

従って、生活習慣病が重積したメタボリックシンドロームでは、いっそう活性酸素が増加した状態 (酸化ストレス) にあるはずで、動脈硬化の発症がますます容易になっていると予想されます。

多価不飽和脂肪酸の過剰摂取や喫煙などによって酸化ストレスを高めた場合、血漿の脂質過酸化やLDL の酸化変性が亢進するとともに、動脈硬化病変が発症・進展することはすでに見出されています。

ビタミンEやCは、抗酸化作用があり、酸化ストレスが原因のいろいろな疾病や老化を予防するとされています。

ところが、健康な人がこのような抗酸化ビタミンを飲むと、むしろ体内の酸化ストレスを高めて有害な作用を及ぼす可能性があるという、健康目的で抗酸化サプリメントを服用している人にはちょっとショッキングな研究成果が報告されました。

Hypertension, Jan. 30,2006
Chronic Antioxidant Supplementation Impairs Coronary Endothelial Function and Myocardial Perfusion in Normal Pigs

これは、動物(ブタ)実験の結果ですが、高用量の抗酸化ビタミンを正常なブタに長期間投与すると、体内の酸化還元に不均衡が生じて心筋血流と内皮機能が損なわれ、健康だった心血管系に悪影響を及ぼしたと考えられるとの事でした。

勿論、酸化ストレスのたまった人にはこのようなビタミン類は有益なことは明らかですので、どのような人が、どのくらいの抗酸化ビタミンを摂るのが良いか、抗酸化ビタミンは、抗老化を担う重要なビタミンだけに、今後の研究が待たれます。

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この記事へのコメント
はじめまして。由美さん。

同志を見つけたと思い、書き込みました。
由美さんのように詳しくはないけれど・・・
私もブログをしていますので、是非覗いてみてください。
Posted by pichi at 2009年07月31日 19:07
pichiさんブログ拝見しましたよ。しっかりとしたダイエット情報を配信されていますね~。

私も、自分のダイエットと並行して情報発信してます…(涙)
同じですね。

お互い頑張りましょう!
Posted by 由美由美 at 2009年08月01日 10:45
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